「は」を“is”に置き換える英文法オンチにありがちな間違い

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一昔前、こういう「東大過去最大難問」がネットで話題になったのをご存知だろうか?

I was 19 years old happy birthday. I'm happy everyone was and spend the last 10 generations.

文法を守って直訳するとこうなる。

「私は幸福な誕生日の集合体でありながら、19歳であった。私は幸せだ。誰もが存在したのであり、誰もが最後の10世代を過ごすのだから。」


※19 years oldがhappy birthdayを修飾するのなら、
19-year-oldになるはずなので19 years oldはwasの補語であり、
従ってhappy birthdayが主語指向二次述語(準補語)として解釈される。
Birthdayは非可算名詞化されているので連続体(集合体)と捉えられる。


 なんだか多元宇宙論と終末論のミクスチャーを神の目線で語っているような文である。もちろんこの文章は釣りであり、ネタ元は哲学者でなく一般の学生ということらしい。


・”is”→「は」という誤解


さて英文法をイチからやり直したい人間が注目すべき点は、

I was 19 years old happy birthday.

の部分である。
きっと作者は頭の中で
「(その日)私は19歳の誕生日でした。」
と作文したのを英訳したのだろう。

このように
「は」→be動詞
(※be動詞とはis, was, are, wereなんかの総称のこと。)
と置き換えることは初心者に割りとありがちだ。



だって英語を習ったときに

My name is Emily.
私の 名前 は エミリー(です)。


This is my book.
これ は 私の 本 (です)。

と習うんだから、なんとなしに「は」「is」対応しているように見える。
誤解するのも無理はない。


・”is”の意味は「=」(イコール)


最初はそう考えてよいだろう。

上の例文でも
My name = Emily.
This = my book.

とスッキリ説明できる。

最初に戻って

I was 19 years old happy birthday.

を検討してみよう。

まず、

“19 years old happy birthday”

の部分は、「19歳の誕生日」と言いたいのだろうから
“my 19-year-old happy birthday”と書くのが正しい。
(※名詞を修飾するときは、複数形を単数形にして「-」で結ぶ決まりがあるのだ。)
そうすると、

I was my 19-year-old happy birthday.
(私は19歳の誕生日だった。)

となる。

この文は英語として間違っている。どこが間違っているかお分かりだろうか。
先ほどBe動詞の意味は「=」だと説明した。そうすると
「私=19歳誕生日」
ということになり、大いに矛盾する。
「私」は人間であり、「誕生日」は日にちなのだからイコールなわけないのだ。

イコールの形にしたいのならこうする。
例えば誕生日が昨日だったら
Yesterday was my 19-year-old happy birthday.
にするとか
時・天気・気温とかを意味する便利な「it」を使い、
It was my 19-year-old happy birthday.
と書いてもよい。


・”is”→「~だ」と理解していても間違う場合:ウナギ文

もしかしたら、この誕生日の文章を書いたひとは、”is”が「は」でなく「~だ」に相当すると理解していたのかもしれない。それは基本的には正しい。

「だ」とか「です」とか「である」とかの言葉は断定といって、
「AはBだ」の形でA=Bの意味を表すのが通常だ。
 (このAを本来の意味で主語という)

例:
このスマホはiPhoneです。

(このスマホ=iPhone)

あれがスカイツリーだ。
(あれ=スカイツリー)

しかし”is”を「~だ」に置き換えても間違えることは多い。なぜなら日本語には『ウナギ文』が存在するからだ。

まず次の会話を見て欲しい。

「なに注文したの?」

「オレは天ぷらです」
「私はウナギです」


両名の返事をよく見て欲しい。―「私はウナギです」だと?
「私=ウナギ」ならお前は人類ではなくて魚類だったのか?と読めてしまう。

「今日私は誕生日でした」
という文だって同じだ。「私自身」が「誕生日」なのではない。

整理すると、
「は」という助詞は「~について言うと」くらいの意味で、英語の主語とは必ずしも一致しないのだ。

「私はウナギです」
は、
「私はウナギを注文しました(I ordered eel.)」
「私については、注文はウナギです(About me, the order was eel.)」

くらいのことを意味する。


「AはBだ」という日本語と、
「A is B」という英語の間にある差がこういった誤解を産んでしまうのだ。


(補足)
今回は「名詞 is 名詞」のかたちを検討したが、
厳密に言えばつねに”is”が「=」である訳ではない。
むしろ概念上は「⊆(部分集合)」「∈(要素として含む)」のほうが多い。
例:
He is a student. (彼は学生だ)
の場合、「彼」は世界に一人だが、「ある学生」に当てはまるひとはたくさんいる。
意味的には「He is one of the students.」なのだ。


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